育成就労への移行準備は、やることが多いのではなく散らばっているのが問題です。経過措置の判断、監理団体の再許可、計画認定、送出し、待遇、転籍、そして特定技能への接続——本記事は、当サイトの育成就労特集全6記事で整理した実務ポイントを、7区分28項目のチェックシートに集約したものです。全項目に一次情報の参照元を付けています。
この記事の結論
- チェックは7区分:現状把握 → 監理支援機関 → 計画認定 → 送出し → 日本語・入国 → 待遇・体制 → 転籍・特定技能移行。
- 期限が切られているのは3つ:監理団体の施行日前申請(2026-09-30までを機構が強く推奨)・計画認定の施行日前申請(2026-09-01受付開始)・施行日(2027-04-01)。
- CSV版を無料配布——Excelで開いて「状態」列で進捗管理できます。
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UTF-8のCSV形式です。ExcelまたはGoogleスプレッドシートで開き、「状態」列に「済/対応中/未着手」を記入してお使いください。
チェックシート全項目
1. 現状把握(直ちに)
- 在籍する技能実習生ごとに施行日(2027年4月1日)時点の段階(1号/2号/3号)を一覧化した
- 経過措置で次の段階まで移行できるか判定した(3号への移行は施行日時点で2号を1年以上の者に限る)
- 経過措置ルートでは育成就労への途中移行ができないことを人員計画に織り込んだ
- 自社業務が該当する育成就労産業分野・業務区分を分野別運用方針で確認した
→ 判別の詳細は技能実習との違い・経過措置の判別表へ。
2. 監理支援機関(期限注意)
- 利用中の監理団体に監理支援機関許可の施行日前申請の状況・予定を確認した
- 施行日から監理支援を受ける前提なら、2026年9月30日までに申請済みかを確認した(機構の強い推奨期限)
- 候補機関の体制基準(常勤役職員数・実施者2者以上の見込み・債務超過でないこと等)を確認した
→ 許可基準の全体は監理支援機関と登録支援機関の違いへ。
3. 育成就労計画の認定(2026年9月1日〜)
- 機構の様式・記載例・Q&A公表(2026年6月頃予定)をフォローする体制を作った
- 目標試験を分野別運用方針の指定から設定した(技能3級相当+日本語は原則A2相当)
- 開始1年以内の中間評価(受験義務)を計画に組み込んだ
- 同種業務での非自発的離職者がいないか直近の離職履歴を点検した
- 人数枠を確認した(経過措置中の技能実習1号・2号は算入、3号は不算入)
→ 落ちるポイントの詳細は計画認定の解説へ。
4. 送出し・日本語・入国
- 送出国がMOC作成国か・送出機関が外国政府認定リスト(機構HP)掲載かを確認した
- 外国人が送出側に支払う費用の内訳を確認した(費目を問わず規制対象)
- 入国時の日本語要件(A1相当以上の試験または相当講習)の充足方法を送出機関と確認した
- 入国後講習の施設を確保した(オンライン実施も双方向・音声映像ありなら可)
5. 待遇・体制
- 外国人であることを理由とする待遇差(報酬・賞与・教育訓練・福利厚生)がないか点検した
- 転籍制限期間と、1年超の分野での待遇向上の内容(分野別運用方針)を確認した
- 一時帰国希望時の追加有給休暇への配慮を雇用契約書に定めた
- 健康・生活状況の把握措置(健康診断・定期面談・緊急連絡網)を整えた
6. 転籍・特定技能移行(受入れ後〜3年目)
- 在籍者ごとに転籍可能時期(分野ごと1〜2年+試験合格)を台帳化した
- 賃金・環境・キャリア支援を地域の同業と比較点検した
- 育成終了時試験(技能3級相当+日本語A2.2相当/N4等)から逆算した学習計画を本人と共有した
- 特定技能1号移行時の支援体制(自社支援か登録支援機関への全部委託か)を決めた
まとめ
| 期限 | やること |
|---|---|
| 直ちに | 現状把握(実習生の段階整理・分野確認)+監理団体への確認 |
| 〜2026-09-30 | 監理団体の施行日前申請(機構の強い推奨期限) |
| 2026-09-01〜 | 育成就労計画認定の施行日前申請 |
| 2027-04-01 | 施行 — 以後は転籍対応・特定技能移行の運用フェーズへ |
よくある質問
- Q.チェックシートは無料ですか?会員登録は必要ですか?
- A.無料で、登録も不要です。CSV形式なのでExcelやGoogleスプレッドシートでそのまま開き、「状態」列に済・対応中などを記入して社内の進捗管理表として使えます。今後、LINE公式アカウント開設後には、更新通知付きの資料配布も予定しています。
- Q.どの順番で着手すればよいですか?
- A.シートの区分順が着手順です。まず「現状把握」(在籍実習生の段階整理と分野確認)、次に「監理支援機関」(監理団体の再許可確認 — 施行日から監理支援を受けるには2026年9月30日までの申請が機構から強く推奨されています)、そして「計画認定」(2026年9月1日から施行日前申請)へ進みます。
- Q.項目の根拠はどこで確認できますか?
- A.各行の「根拠・参照」列に、入管庁の育成就労制度運用要領(第4章・第5章)、制度の概要(令和8年7月改訂)、外国人技能実習機構の施行日前申請案内など、参照した一次情報を記載しています。本サイトの解説記事(本文中のリンク)から各資料の該当箇所にたどれます。
編集長の一言
チェックシートの原型は、特集6記事を書きながら「結局、企業は何をいつまでにやるのか」を自分用に整理したメモです。28項目のうち社内で完結するのは半分程度——残りは監理団体・送出機関・機構への「確認の電話」です。つまり移行準備の実体は、確認事項リストを持って早く電話をかけることに尽きます。
出典・関連法令(一次情報)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度の概要」(令和8年7月改訂・PDF)(参照日: 2026-08-19)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度運用要領」第4章 育成就労計画の認定等(PDF)(参照日: 2026-08-19)
- 出入国在留管理庁「育成就労制度運用要領」第5章 監理支援機関の許可等(PDF)(参照日: 2026-08-19)
- 外国人技能実習機構「監理支援機関許可の施行日前申請のご案内」(PDF)(参照日: 2026-08-19)