リサイクルショップ、買取専門店、ネット中古販売——中古品を「業として」売買するなら古物商許可が必要です。その運用ルールが、金属盗の激増を背景に動いています。2025年10月から1万円未満でも本人確認が必要な品目が4種追加され、有識者会議では次期法改正の議論が第3回まで進行中。現行ルールと変化の方向を押さえます。

この記事の結論

  • 2025年10月1日施行の施行規則改正で、少額(1万円未満)でも本人確認・帳簿記載が必要な物品エアコン室外機・電気温水器のヒートポンプユニット・電線・金属製グレーチングの4種が追加されました。
  • 背景は金属盗対策。盗品の換金経路を塞ぐ方向の規制強化は今後も続く見込みです。
  • 警察庁で**「古物営業の在り方に関する有識者会議」が第3回まで開催**済み——次期改正の予兆であり、DX(オンライン本人確認)と規制強化の両面が論点です。
  • 古物商の基本義務は許可・本人確認・帳簿・不正品申告の4点セット。運用には都道府県差があります。

1. 現行ルールの骨格 — 4つの義務

義務内容
許可主たる営業所の公安委員会の許可(欠格事由・営業所・管理者の要件)
本人確認買受け等の際に相手方の住所・氏名・職業・年齢を確認(対面/非対面の法定方法)
帳簿取引年月日・品目・数量・特徴・相手方等を記録し保存
不正品の申告盗品等の疑いがある場合の警察への申告

本人確認・帳簿は1万円以上の取引が原則ですが、盗品化しやすい品目は金額を問わず対象です。ここに2025年10月、金属系4品目が加わりました。

2. 追加4品目 — 現場実務への落とし込み

エアコンの室外機/電気温水器のヒートポンプユニット/電線/グレーチング(金属製に限る)

  • 買取カウンターの**「少額でも確認する品目リスト」を更新**し、スタッフ教育まで落とし込むのが第一歩です。
  • 特に電線・グレーチングは建設現場由来の持込みが多く、出所の確認(解体工事の元請名など)を聞き取りメモに残す運用が、不正品申告義務への備えになります。
  • 非対面買取(宅配買取)でも同じ義務がかかります。eKYC等の法定の非対面本人確認方法に対応しているかシステムを点検してください。

3. 次に来る変化 — 有識者会議ウォッチ

警察庁の有識者会議は、古物営業の環境変化(フリマアプリ・越境EC・金属盗)を踏まえた制度見直しを議論しています。第3回まで公開資料が出ており、方向性としては本人確認のデジタル化と、盗品流通経路への規制強化が並走しています。許可を取る・維持する事業者は、年1回は警察庁ページの資料を確認する運用をおすすめします(本サイトも監視対象にしています)。

IT・オンラインでの解決策

帳簿は紙の古物台帳でなくても、法定事項を満たす電磁的記録で構いません。POS・買取管理システムに「金額不問品目フラグ」を追加し、該当品目で本人確認画面を強制表示させるのが、ヒューマンエラーを消す最短の実装です。許可申請自体の様式は都道府県警サイトからダウンロードでき、一部の県では電子申請にも対応が広がっています。

まとめ

項目内容
改正施行規則改正 2025年10月1日施行
追加品目室外機・ヒートポンプ・電線・金属製グレーチング(少額でも本人確認)
基本義務許可・本人確認・帳簿・不正品申告
今後有識者会議(第3回まで)=次期改正の予兆
根拠警察庁 古物営業ページ・古物営業法

よくある質問

Q.1万円未満の取引なら本人確認は不要と聞きましたが?
A.原則はそのとおりですが、例外品目があります。従来のバイク・ゲームソフト・CD/DVD・書籍等に加え、2025年10月1日施行の施行規則改正で、エアコンの室外機、電気温水器のヒートポンプユニット、電線、金属製グレーチングの4種が追加されました。これらは1万円未満でも本人確認と帳簿記載が必要です。
Q.なぜこの4品目が追加されたのですか?
A.全国で多発する金属盗(銅線・室外機等の盗難)対策です。盗品の換金経路になりやすい品目を、少額でも記録が残る仕組みに組み込むことで、盗品の流通を抑止する狙いがあります。
Q.古物商許可はどこに申請しますか?
A.主たる営業所の所在地を管轄する都道府県公安委員会(窓口は警察署の生活安全担当課)に申請します。標準的な審査期間は40日程度とされ、申請書類の様式や運用細部には都道府県差があるため、管轄警察署の案内を必ず確認してください。

編集長の一言

古物営業の規制は「犯罪のトレンド」の裏返しで動きます。金属盗が増えれば金属が、トレカ窃盗が騒がれればトレカが議論に上がる——つまりニュースが次の規制の予告編です。買取品目のニュースを追うことが、この業界のコンプライアンスの半分だと考えています。

出典・関連法令(一次情報)